ハタラク戦士インタビュー!!
家をつくる、ビルをつくる、橋をつくる、道路をつくる。この街をつくるのは職人さんです。そんな建設・土木業界で働く若者たちにスポットを当て、働くことについてインタビューしました。
No.19 田淵 雅美さん[造園工事業]
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- どんな仕事ですか?また、この仕事に就いたキッカケは?
公園や庭を作るに当たり、工事の計画を調整したり資材の管理や役所との打ち合わせなどを行う仕事です。当社では公園などの公共事業を主に請け負っていて、中でも街路樹の剪定や草刈りなどの維持管理を行うことが多いですね。こちらで働き始めて、2016年で19年目。会社の名前を見て「緑化っていいな」と思い、条件もピッタリだったので一般事務として入社しました。施工管理の仕事を始めたのは、11年前ですね。会社からの勧めで2級造園施工管理技士の資格を取得していて、現場の皆さんの書類作りは行っていたので違和感なく施工管理の仕事に馴染めました。
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- 仕事のやりがいを教えてください!
私が実際作業をするわけではないですが、作って終わりではなく通りすがりに見かけたりと、携わったものがずっと残っていることにやりがいを覚えます。また、完成してお客様に満足していただいたときですね。個人のお庭のお仕事でお客様から「よくなって良かったわ」と声をかけてもらったときは嬉しかったです。
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- 女性ならではの大変さを感じたことは?
私には中学生と小学生の子どもが3人いるんですが、合わせて3年ほどいずれも育休をとらせていただきました。女性特有の問題だと思いますが、辞めることなく働いてこられたのは同僚や家族を含めた周囲の手助けがあったからこそだと思っています。休むことで仕事に穴を空けて迷惑をかけたとは思いますが、相談した際も社長に快く育休を勧めていただきました。「辞めることはいつでもできるので、できるところまでやってみよう」。その想いで、ここまで来ました。皆さんには毎日、感謝していますね。また最初の頃は現場に行っても男の人ばかりで、勝手に馴染みにくさを覚えることもありました。でも行かなきゃいけないので、大変でしたね。
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- 仕事をする上で大切にしていることは?
自分が満足できる仕事ができるかですね。完成を迎えたときに、満足感がお客様にも伝わるんです。そういった感覚は持ち続けていたいと思っています。また女性という立場で考えると、お客様や同業者や同僚に対して心配りや気遣いを心がけるようにしています。ちょっとしたことなんですが、「笑顔であいさつをしよう」などですね。
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- 特に印象的な現場はありますか?
幸町緑地と緑ケ岡公園ですね。幸町緑地は施工管理を始めて、平成22年頃に初めて担当した大きな現場だったんです。緑ケ岡公園は去年完成したばかりで、他社と共同で最近行った現場です。施工管理も1人ではなかったので、トラブルが起きないよう相談しながら進めました。
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- 今後の目標を教えてください
建設機械などを動かせる車両系の免許を取れたらと考えています。例えば現場でちょっとだけ物を動かしたいときがあるので、免許があれば人を呼ばなくてもいいのにと思うときがあるんですよね。また謙虚や感謝の気持ちを忘れずに、常に学んでいく姿勢でありたいです。毎日担当する仕事や行く先々の現場に2つとして同じものはないので、まだまだ学ぶことはあると思っています。それに周囲に助けられて今があるので、常に1人前を目指す気持ちを持ち続けていたいですね。
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- これから建築・土木業界を目指す若者に一言!
私は、楽な仕事なんてないと思うんです。どんな仕事でも大変だと思うことは、多かれ少なかれ絶対にあるじゃないですか。だからこそ今、目の前にある仕事を一生懸命がんばって取り組むしかないんです。辞める、諦めることはいつでもできます。だからこそ、その決断は最後にして欲しいなと思いますね。私自身は細かいことは気にしない性格で、気にしていたらできない仕事でもありました。続けてこられたのは、仕事をしている自分と家族といる自分、どちらの私も捨てたくないという欲張りな気持ちがあったことは確かです。その想いで、周囲の助けもあってなんとか続けてこられました。人それぞれだとは思いますが、私が19年続けてこられたので、女性でも志があれば大丈夫だと伝えたいですね。
取材日:平成28年10月4日
No.18 中村 光保さん[建築板金工事業]
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- どんな仕事ですか?また、この仕事に就いたキッカケは?
自分はこちらでステンレスの薄い鉄板を加工して、手すりや給食の台車などを作っています。高校卒業後に就職した塗装会社は叔父の会社で、中学生の頃から好んで手伝っていました。個人的にはすぐにでも働きたかったんですが、高校は卒業して欲しいという親の希望で東高校へ進学。その後、念願の塗装職人を目指しました。最初の会社は住宅関係の塗装をメインで行っていて、次の会社は同じ塗装でも鉄への塗装が多い会社でした。けれど下請けとして今の会社に出入りする中で、板金にも興味が湧いてしまって(笑)。お願いしたらアルバイトで雇ってもらえることになり、平成27年から正社員として働いています。
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- 仕事のやりがいや魅力を教えてください!
やっぱりできあがったものをプライベートで見かけた瞬間が、「あぁ、これを自分がやったんだ」とやりがいを感じます。作っている最中は、あまり実感がなくて(笑)。あとは取り付けたときですね。もちろん、以前にやっていた塗装も、また別の魅力がありました。木材であればペンキを吸うのでしっかりと色が乗るんですが、金属はただ塗っても弾いてしまう事もあるので違いが面白かったですね。
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- 仕事をする上で、気を付けていることはありますか?
金属加工は数ミリのズレが、組み合わせた際の全体のズレや歪みにつながってしまうんです。5ミリまでは許容範囲ですが、プロとして1ミリでもズレないように心掛けています。それには機械の感覚をつかむしかないので、片方上手くいってももう片方が上手くいかなかったりします。あとは怪我につながるので、無理をしないことですね。
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- 女性として困ったこと、不便だと感じたことは?
第1工場のトップが女性の職人なので、働く中で男女差を感じたことはありません。重いものは手伝ってもらうので無理をして運ぶこともありませんが、自分のいる部署は基本スタンスが男女平等。仕事上、男ができるなら女もできるという考え方です。元々塗装職人をしていて体力がついていたので、特に辛いと感じたことはありません。
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- 苦労話を教えてください!
入社当初は仕事の流れがつかめず、何をどうしたら良いのか分かりませんでした。周囲から説明を受けても、自分の中で想像がつかないんです。また扱う金属の種類や成分が違うと作業行程も全て違うので、今でも仕事をしながら覚えている最中ですね。
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- どんな人が向いていると思いますか?
上手に気遣いができて、人間関係が構築できる人ですかね。体力がないのは最初は仕方がないことなので、周囲からからかわれるぐらいで全く問題ありません。1年続けられれば、自分は「がんばっているな」と感じます。またこの仕事は機械を扱うこともあって、危機管理が大切です。3ヶ月ほど経ち作業に慣れてしまうと、見ているこちらがドキッとするような危険な場面も多いんです。周囲も怪我を経験していたりするので、そんな時は注意も辛口になるんです。それを変に落ち込まずに、素直に受け止められるといいかもしれません。
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- これから建築・土木業界を目指す若者に一言!
自分は18歳からこの業界にいて、他の職人さんたちからも面倒を見てもらっていると感じます。怒られることもありますが、それも「怒ってくれるということは、自分のことを見てくれているんだな」と受け止めて働いています。この業界は礼儀に厳しい世界です。あいさつは基本ですし、昔ながらの見て覚えろという人も少なくありません。その幅広い年齢層の人から言われたことを、どう受け止めるかが大切だと思います。上手く受け流すのか、苦手だと思ってしまうのか…。職人さんたちは意識が高く、経験も豊富です。自分はそのことを頭に入れながら話していますね。また新入社員はついつい無理をしがちなので、自分のできる範囲で続けることです。
取材日:平成28年9月13日
No.17 仲島 千恵さん[型枠大工工事業]
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- どんな仕事ですか?また建築の道に進んだキッカケは?
高校卒業後、現在の会社に型枠大工として就職しました。型枠大工として働いていたのは8年間。その後10年、型枠大工の中でも墨だし専門の職人として働いています。型枠大工はコンクリート造を建てる際にコンクリートを流し込む枠を作る大工で、墨だしは図面からその基準となる印を墨でつける仕事です。キッカケは母が木造大工の手伝いをしていて、私も一緒に防腐剤を木材に塗ったりする手伝いをさせてもらっていたことです。大工という仕事が楽しそうだなと感じて、入職を決めました。
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- 仕事の魅力を教えてください!
大工を目指して入社した私ですが、最初は木造大工のイメージしかなくて。入社して初めて同じ大工でも型枠大工なんだと知ったんです。なので最初から、木を叩くと思っていた仕事とは違いましたね。けれど自分の関わった仕事がカタチに残る楽しさがあって。型枠の仕事はコンクリートが固まるまで枠で覆っているので見えないんです。それを外したときは、自分の仕事が見えるようになって特に充実感があります。墨だしに関しては人手が足りないときに声をかけてもらって始めたんですが、墨をしっかりと引けたときは達成感を覚えますね。
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- 仕事をする上で、大切にしていることは何ですか?
墨だしは、全ての作業の基準となる仕事です。数字も細かくて、型枠大工で必要だと感じていた体力よりも正確さが求められていると感じます。信用第一の世界なので、まずは間違えないこと。現在は、他社の墨だしも頼まれて行っています。
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- 女性として困ったことはありますか?
困ることはひとつだけで、トイレですね。現場には仮設トイレがあるんですが、夏は虫はいるし汚いし、冬は凍結するので使えないんです。冬は近くのコンビニへ走ります(笑)。そこをもう少し改善してもらえればいいなと思っています。体力については重いものは分けて運ぶと問題ないですし、次第に慣れていきます。また私は当時の上司も気を使ってくれる人だったので配慮してもらったのか、荷重に耐えるような仕事をする機会がなかったように思います。現在は墨だし専門なので、重いものを持つこともありません。辛いと思ったことはないですね。
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- どんな人が向いていると思いますか?
モノづくりが好きな人ですね。型枠大工は色んなものを運ぶときなどで、かなり汚れます。私は汚れるのが苦ではないので、続けられたと思っています。またモノづくりが好きであれば、できあがった際の満足感が支えてくれると思います。
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- 将来の展望を教えてください。
今後は取れる資格があれば、チャレンジしたいなと思っています。土木で必要になる溶接の資格があったら楽しいかなとか。色々な現場を体験したいなと思っているんですよね。また現在、墨だし専門の職人が私しかいないので、男女関わらず後輩にしっかり指導できる職人になりたいと思っています。女性が入ってきてくれると嬉しいですね(笑)。
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- これから建設・土木業界を目指す若者に一言!
まず、3日間やってみることです。男性でも女性でも、その期間に身体が慣れてきます。体力のあるうちに型枠大工を経験していれば、墨だしも理解しやすいと思います。力仕事というイメージが強い大工ですが、多少作業の軽減があるものの仕事内容や大変さにあまり男女差はありません。型枠大工は体力が必要なので難しいかもしれませんが、墨だしであれば結婚後も続けられる仕事だと思います。
取材日:平成28年9月5日
No.16
[写真右]上田 真一さん
[写真左]櫻井 謙二さん[塗装工事業]
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- 櫻井さんが、この仕事に就いたキッカケや仕事内容を教えてください!
塗装職人を目指すキッカケになったのは、辻本塗工さんで出していた「2年間学校へ通いながら働いて、資格取得を目指す仕事です」という求人でした。それ以前は潰瘍性大腸炎を患って入院していたこともあり、ホテルや市役所などのアルバイトを転々としていました。ちょうど何か資格が欲しいと思っていたので、塗装がどんな仕事なのかも分からないまま就職しました。塗装はペンキを塗って見栄えを良くするだけでなく、ヒビ割れを防ぐなど建物を長持ちさせる仕事です。現在は後片付けや補助作業だけですが、先輩たちの塗装が色ツヤもキレイに仕上がっているのを見て未熟ながらも「早く塗ってみたい」と思います。
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- 上田さんの考える、仕事の魅力は何ですか?
塗り上がったときの達成感が、一番の魅力だと思います。サビなどで酷く汚れているものが、塗ることでキレイに見違えて、その壁を見たお客さんに喜んでもらえたときは、やりがいを感じますね。またニオイが少ない低刺激の塗料・燃えると膨れ上がって火を防いでくれる塗料など、新しい塗料も毎年次々と登場します。勉強ではありますが、そういった新しいことを学べることも面白いと思いますね。やればやるほど、奥が深い仕事です。
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- 櫻井さんの苦労話を聞かせてください。
僕の働いている会社では橋の塗り直しや道路の白線も塗っているんですが、特殊塗料はニオイがキツくて、入社当初「匂いは大丈夫?」と尋ねられていたんですが、考えた以上に大変ですね。橋の塗り直しはビニールをかぶせた密閉空間で行うので続けていけるかなと不安を覚えますね。でも先輩たちにも優しく指導していただいているのでマスクなどの保護具も使って、がんばっていきたいと思っています。
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- 上田さんが感じる、塗装業界の現状を教えてください。
塗装は建物の化粧です。今はホームセンターで誰でも塗装できてしまうので「やっぱりプロだな」と思われる、よりツヤがあって長持ちする上質な仕事をしなければならないと思っています。しかし現状として塗装技能士の上になる指導員になれる資格を持っている人はとても少ない。プロだと言える人はまだまだ少ないと感じています。若い人を育成していくには教える側の人員も確保していかなければならないし、その層を厚くすることが、若い人を育成する訓練校を維持することにも繋がっていくのかな、と感じますね。
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- 上田さんは若い技術者の育成に、どんなことを行っていますか?
今の若い子たちに、昔かたぎの職人さんが言うような「見て覚えろ」は通じないんですね。本当に見ているだけになってしまう(笑)。実際に塗ってもらって、「ここがダメ」「ここをこうするとキレイに仕上がる」という実例を出すアドバイスが実力に繋がっていきます。また個人の考えが入ると塗り方に偏りが出てしまうので、あくまで基本のやり方を教えるようにしています。後は現場で見かけた効率の良いやり方はどんどんマネするように、ということですね。
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- 櫻井さん、これから建築・土木業界へ続く若者に一言!
自分は病気を抱えていますが、こうして色々なことを勉強して学んでいけば、自分のやりたいことをできるようになると思います。僕自身もまだ塗装が好きだとは胸を張って言えませんが、今がんばっていることを続けていけば自分の好きな仕事になっていくのではないかと思っています。
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- 上田さん、これから建築・土木業界を目指す若者に一言!
塗装職人は下積み15年と言われています。訓練校に入るということは技術の近道にもなるので、就職と入学を同時に受けることで色々な資格も取得できます。継続は難しいことですが、どこかで面白さにひっかかる瞬間が必ずあって、それに気付くためには、基礎をしっかりと学ぶことも必要なんですね。塗装に少しでも興味があるのなら、塗装科を再開した今がチャンスなんじゃないかと思います。
取材日:平成28年8月26日
No.15 磯部 道弘さん[左官工事業]
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- どんな仕事内容ですか?また、やりがいは?
左官の仕事はモルタルなどを使って、壁や床などを仕上げる職人技。仕事ではお客さんの要望に合わせてサンプルを何種類か作製。それを確認してもらい、本格的に壁などを塗り上げていきます。モルタルは絵の具と同じようにどんな色も作れ、波打っているような模様を作り上げたりタイルなどを壁に埋め込むなど、壁紙では出来ない自由な表現が可能です。事前にサンプルを見ていただいていても壁一面になると印象がまた違い、お客さんから「すごい技術だね」と声をかけてもらえる魅力ある仕事です。最近、知り合いに頼まれてモルタルで花壇作りをしたこともありますね。
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- この仕事に就いたキッカケを教えてください!
この業界へ入ったのは、32歳のときです。私は釧路工業高校を卒業しているんですが、その後アイスホッケーの実業団選手として札幌の雪印乳業のチームに所属していました。チームのキャプテンを任され、日本代表に選ばれたこともあります。しかし、会社がチームの廃部を決定。その時のメンバー以外のチームでプレーをすることは頭にありませんでした。何をしようと考えたときに思い浮かんだのが、家業である左官だったんです。左官の仕事に関しては昔から職人さんたちの姿や塗っている際のリズムが好きで、よく手伝っていました。
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- 仕事をする上で重要なポイントは?
この仕事はお客さんの要望が叶うように、コツコツと作り上げる仕事です。なので、重要なのは真面目であり、自分の意思を強く持てること。職人の世界なので、礼儀には厳しいところもあります。スポーツをやっていた人だと、上下関係などを理解して空気が掴みやすいかもしれませんね。
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- 苦労話を聞かせてください。
2代目だった父が半年間入院することになり、3代目の私が臨時で社長業を兼任したときが大変でしたね。その頃は左官を志して5年が経った頃で、周囲にはベテランの職人さんたちばかり。けれど負けたくないという一心で、知識を蓄えました。幸い兄が札幌にある建築関係の職場で働いていたので、釧路にはなかなか入ってこないような最新技術の知識を率先して学びましたね。
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- 左官業界の現状を教えてください
現在、建築物に壁紙やサイディングを使うことが多く、業界全体で仕事が減ってきている状態です。人員も高齢化が進み、どの会社でも人材不足が叫ばれています。特に20代から40代が少ないですね。せっかく入職してくれてもすぐに辞めてしまったり…。左官に関わる私たち自らが仕事の魅力を発信していくことが大切だと考えています。
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- 若い技術者の育成には、どんなことを行っていますか?
左官業は若い人が育ちにくいと言われています。一人前になるには下積みに10年かかると言われ、職人を目指しても挫折してしまうことが少なくありません。左官は天候によっても使う材料の配合が変わる仕事です。長く修行していた職人さんたちは、それらを全て感覚で行っています。ですので若い人たちを入職させ、継続させる為には修行期間10年を2~5年で習得できるように整える必要があると私は考えています。例えば天候に合わせた材料の最適な配合を数字に残す、塗り方も映像を見せてやり方を覚えるトレーニングを行うなどです。
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- これから建設・土木業界を目指す若者に一言!
左官の仕事をどこかで目にする機会さえあれば、その職人技に魅力を感じざるを得ないハズ。釧路には昭和50年にスペインで開催された技能五輪の世界大会で日本初の金メダルを獲得した左官職人がいます。金メダリストは日本で未だ2人しかいません。左官は高齢化などの影響から後5年で職人の数が半数になると言われており、金メダリストの左官職人も60歳です。
組合では若い人たちを支えるため、安定した職場環境を整える呼びかけと、3~5年で監督なしで壁を塗る技術を身に付ける育成プランを立てています。若い力で自由に釧路の左官業を作り上げて、盛り上げてくれればと考えています。
取材日:平成28年7月28日
No.14 渡部 真之介さん[大工工事業]
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- どんな仕事をしていますか?また建築の道に進んだキッカケは?
大工として主に一般住宅の建築やリフォームを行っており、毎日各地の現場で忙しく働いています。この仕事に就いたキッカケは、小学3年から高校までずっと野球をやっていて、体を動かす仕事に就きたかったから。その中でも大工は特にカッコイイなと思ったんです。それに中学校の授業で小物入れを作ったときも楽しかったので、「体を動かせてモノも作れるなら」と大工の道を決め、高校卒業後は大楽毛にある釧路高等技術専門学院の建築技術科で2年間学びました。
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- この仕事の魅力はなんですか?仕事をする上で最も重要視としていることは?
桂田工務店がつくる家は「自然の木の良さを活かした家」を目指しているので、羽目板などの木をお客さんの目に直接触れる形で配置することが多いんです。そういう「目に見える木」を丁寧に切りこんで、きれいに仕上げている時は楽しいですね! なのでやっぱり、「きれいに作ること」は重視していますね。壁や柱など目に見える部分はもちろん、見えない部分も丁寧に仕上げたい。自分がお客さんの立場になって考えたとき、大工が雑に仕事していたら嫌な気持ちになると思うんです。お客さんから「この人なら任せられる」と思ってもらえるような大工になるために、今は社長からたくさんの技術を教わって、こつこつと吸収しているところです。
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- これまでに出場した、技能競技大会について聞かせてください
平成28年10月に行われる『第54回技能五輪全国大会』に北海道代表として出場します。実はこれまでに2回、地方予選にチャレンジしたのですが入賞せず、今年はリベンジのつもりで挑戦したら見事2位に入賞したんです。競技内容は簡単に言うと、木材を切ったり削ったりして屋根のような三角形の部材を5時間以内で作るというもの。これが結構細かい作業なんです。今回はあれこれ考え過ぎず、「早く作業をすること」に集中して挑んだら入賞できました。でもここでヘンに自信をつけて天狗になるのも良くないので(笑)、うぬぼれずに努力を重ねていきます。
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- 今後取得を目指す資格などはありますか?
今、建築大工技能士の2級を持っているので、いずれは1級も取りたいです。まずは受験資格を得るために、コツコツと実務経験を積んでいきます。あとは建築士も取得できたら知識の幅が広がるかなと思うので、こちらもまずは2級から挑戦してみたいですね。
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- 将来、どのような職人を目指しますか?
やっぱり最終的には、大工の仕事を束ねる棟梁になりたいです。今は社長が言っている用語の意味が全然理解できないこともあるんですけれど、早く覚えて、仕事をテキパキとこなせるようになりたいです。分からなくてもすぐに答えを求めず、なるべく自分の頭で考えたり調べたりしています。日々勉強ですね。でも仕事を辞めたいと思ったことはありません。それはきっと、楽しいからでしょうね。将来は人の何倍も仕事ができるような棟梁になれるよう、今は経験を積んでいきます!
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- これから大工を目指す若者に一言!
この仕事はモノ作りが好きな人であれば、未経験者でも全く問題ありません。技術は後からついてきますし、練習して腕が上がるたびにどんどん仕事が楽しくなっていくと思います。家って人生の中でも一番大きな買い物なので、そんな貴重な家づくりの仕事に関われる大工の仕事はやりがいがありますよ。でもモノ作りが好きじゃないと辛いかもしれません。大工を目指す人には、好きという気持ちを持ち続けて就職活動に取り組んでほしいです!
取材日:平成28年7月22日
No.13 北谷 拓夢さん[機械プラント工事業]
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- どんな仕事内容ですか?この仕事に就いたキッカケも教えてください!
工事の施工計画に基づいた進行管理や資材の納入、協力会社の管理などを通した完成までの現場監督をしています。それと同時に工事の安全性や品質管理、信頼性までも確保できるようにするのが施工管理の仕事ですね。中でもポンプ設備を専門に扱っています。僕はまだ入社2年目なので上司の坂野さんと共に現場へ行って、進行状況の確認や作業通路の確保などをしたりしています。事務所では主に図面を見ながら、発注などに使う書類を作成しています。父が鉄筋職人なので建物の構造や工程などに昔から興味があり、高校3年生のときにこの会社の求人票で施工管理を知って。会社見学へ行って、そのまま就職を希望しました。
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- もともと建築業界に対してどんなイメージがありましたか。また入社後の印象はどうですか?
入社前はどんな仕事をするのか想像もつかなかったです。入社後はみなさん優しくて色々教えてくれたり面白い一面もあったりして、いい会社だなって。
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- この仕事の魅力はズバリ何ですか?
担当する工事のできあがっていく様子を見られることですね。その中で色んな工事があることを知って、色んな作業を見ることができるので飽きることがないです。自分自身の成長にも繋がっていきますね。工事が完了したときの達成感や爽快感は、また次の工事もがんばろうと思えます。僕は図面を見るのがけっこう好きなので、事務所で図面を見る仕事をするときは、1日があっという間に終ってしまいます。
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- 苦労話を聞かせてください。
部材拾いといって主な資材から金属部品まで、寸法・名前・数量などのデータを集計していく仕事が大変です。今は名前を見ればどんなものかが分かりますが、最初は全く分からなくて調べるだけで1日が終ってしまうこともありました。1年経った今でも初めて知る資材があるので、未だに慣れたとは言えないですね。それに量が多いと大変で、最近やった部材拾いでは3日もかかりました。
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- これまでどんな建物や構造物に携わりましたか?中でも思い入れがあるのは?
最初に携わったのは、選炭工場です。一番印象的なのは、いま行っている愛国浄水場の工事ですね。この工事は去年の5月に着工していて、2017年の3月に完成予定です。このポンプ場は釧路市のほぼ全域に水道水を供給する施設で、ライフラインの中でも重要な水を24時間供給する心臓部となる場所。釧路市のみなさんに安心・安全な水を届けるためにがんばっています。
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- 今後の目標を聞かせてください!
ひとつの積み重ねがものづくりであり、何気なく使っている身の回りのもの全てを完成させています。その一端を担うことで社会に貢献し、後世に引き継いでいければいいですね。具体的には施工管理技士の資格取得を目指していますが、実務経験が5年弱必要なので、まずは部材拾いが速くできればと思っています。
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- これから建設・土木業界を目指す若者に一言!
この仕事に関しては面積を出したりするときに、数学の計算が必要になったりします。僕はコミュニケーション力がない方なので、仕事で話すときに自分の意見を上手く伝えられないことも。なので、そういったことも高校のときに磨いておけばよかったかなと思いますね。これまで嫌々勉強してきた人が多いと思います。でもこうして社会に出ると「こういうときにコレを使うんだ」なんて思うことがあったりするので、今みなさんが勉強していることは決して無駄じゃありません。それに社会に出てからのスキルアップも本人のやる気次第。僕も一所懸命、資格取得に向けてがんばって勉強しています。みなさんも、これからのためにがんばってください。
取材日:平成27年11月11日
No.12 石塚 恭史さん[鉄筋工事業]
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- どんな仕事内容ですか?
鉄筋屋は細い鉄の棒を建物の形になるように、機械で曲げた棒を針金で留めていく仕事です。組んだ後は隠れるようにコンクリートを流し込んでしまうので、見えないんですが中には壁にも床にも、支えるために網目状になった鉄筋が入っている。鉄筋屋はコンクリートの業者さんやそれを流し入れる型枠を作る業者さんなどと連携しながら、建物を支える基礎から屋根まで順々に作り上げていくんです。大型建築物に使われている鉄の柱のような鉄骨とは違うもので、鉄筋屋は一般住宅から大型建築物にまで全てに携わります。他に図面を立体的にするために、頭を悩ませたりもしますね。
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- 建築業界に対してどんなイメージがありましたか。また入社後の印象はどうですか?
ズブの素人でしたし、キツイとか汚いとかマイナスイメージはすごくありました。でもその状態で入っても、イメージ以上の職人さんの腕に興味関心が惹かれちゃいましたね。あとどうしても汚れてしまいやすい仕事ですが、汚れない工夫をみなさんしていますね。
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- この仕事に就いたキッカケを教えてください!
この仕事に就いたキッカケは3ヶ月の短期アルバイトです。それまでビルメンテナンスの仕事をしていたんですが、また違う業種へ転職する際に2次面接まで時間があって。建築業界は人手不足だと聞いていたので、「短期で使ってもらえませんか?」と聞いてみたのが始まりでした。結局3ヶ月経つ前に自分もこうなったらカッコイイよなっていう憧れに取り憑かれちゃって。先輩から「このまま働けばいいだろ」って言ってもらったこともあって、「このまま使ってもらえないですか?」って伝えたら「ぜひ」って感じで2次面接を断ってこちらへ入社させてもらうことに。
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- この仕事の魅力はズバリ何ですか?
自分が建てた建物が10年、20年経ってもそこにあるっていうのに魅力を感じていますね。僕らは日々重量物で知恵の輪をやっているようなもので、効率の良いやり方を見つけると作業のスピードがいきなり上がるんです。鉄筋は元々全て同じ1本の棒なので、それを曲げて組みあがって建物の形になったときは達成感があります。
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- 苦労話を聞かせてください。
自分のもの覚えの悪さもあるんですが、聞きなれない単語ばっかりで。5年経った今なら難しいことじゃないと理解できるんですが、最初は分からなくて。現場の回っているペースに合わせなきゃならないのに、自分の実力が追いついていないので不協和音を生み出してしまうんです。そこが一番辛かったかもしれないですね。
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- 今後の目標を聞かせてください!
先月の自分より今月の自分が、仕事ができると実感できるように働いています。僕は人と比べて負けず嫌いなので、自分より作業が速い人にどうしたら追いつけるか、そこしか考えていないですね。他には先輩が異業種の人とどんなやり取りをしているのかを、目で見て盗んだり。手取り足取り教えてもらえる年数じゃなくなってきているので(笑)。資格は北海道が実施している鉄筋施工技能士2級を取得したので、あと2年実務経験を積めば受けられる、国にも認められる国家資格の1級を持った職人を目指しています。
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- これから建設・土木業界を目指す若者に一言!
僕自身がマイナスイメージしか持っていない状態で入って、職人さんの魅力に圧倒されてしまう場所でした。ちょっとでも物づくりに興味があって、自分の作ったものが何十年も残っていくのがいいなと思える人はこの業界に向いているのかも知れないですね。何の気なしに来ても周りの職人さんの腕に憧れるような場所ってすごく魅力だと思うんです。また鉄筋屋さんは手間仕事で、経験していないことはできません。なので必要なのはその後自分ができないことを、どれだけやろうとするかだと思います。その人の努力次第ですね。
取材日:平成27年10月15日
No.11 春日 邦彦さん[鳶工事業]
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- どんな仕事内容ですか?この仕事に就いたキッカケも教えてください!
『とび職』と呼ばれる、高いところでの作業を専門とする職人です。現場で仮設の足場を組み立て、他の職人さんが高いところで安全に仕事を出来るようサポートする仕事。皆さんの要望を聞いて、作業しやすいように工夫をしながら組み立てていきます。この道に進んだキッカケは、求人情報を見て「ここしかない」ってビビッと来たから。もともと体を動かすのが好きなので、外で体を動かせる仕事を探していたんです。水産関係の仕事と迷ったのですが、「建築の仕事は一生食べていけるよ」と周りから言われ、この道へ進むことに決めました。
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- 建設・土木業界に対してどんなイメージがありましたか。また入社後の印象はどうですか?
「体を動かす仕事だから気持ち良さそうだな」というイメージがあった反面、とび職は「高いところに上って作業するので危険そう」という印象もありました。実際、足場が揺れるとかなり怖いですし、足がすくみます。でも、だからこそ安全には十分配慮していますし、命綱も必ずつけています。それに綺麗な夜景や夕日など、高いところから見える景色が素敵で、得した気分になります(笑)。この仕事をしていないと出会えなかった景色かもしれません。
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- この仕事の魅力はズバリ何ですか?
より高い建物の足場を組むときは本当に面白いです。みんなで汗をかきながら、張り切って作業をするのでスッキリと気持ち良いんです。スポーツの楽しさに近いかもしれません。基本的に汗水を垂らすのが好きなんですよ(笑)。組み終わった後は達成感でいっぱいになります。
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- 苦労話を聞かせてください。
足場は3〜4人で組むのですが、材料を運ぶ人、渡す人、組み立てる人…と色んな役割を効率良く分担をしながら進めるのが大変です。下で材料を運ぶ人は、上で足場を組む人からの指示を仰ぐ前に自分で判断して動くのが理想だし、上で指示を出す人もある程度の経験がないと的確な指示が出せなくて。スムーズに仕事ができるよう、日々頭を悩ませています。この仕事は体力と頭をたくさん使うので、そこが大変ですね。
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- これまでどんな建物や構造物に携わりましたか?中でも思い入れがあるのは?
福祉施設やマンションの改修工事など、数えきれないほどの現場で足場を組んできました。今は小学校の耐震工事があちこちで行われているので、そのための足場組みが忙しいですね。思い入れがあるのは標茶小学校の新築工事。まだ全然分からないことだらけだった時に、大規模な現場で複雑な足場を組む…これは相当大変でした。上司の指示に従いながら、ひたすら道具を運びましたね。釧路から標茶へ約1年間通ったのも、今ではいい思い出です。
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- 今後の目標を聞かせてください!
まずは現場でテキパキと動けるようになることです。上司の皆さんはどんなに複雑な現場でもすぐにアイデアが浮かび、的確に指示を出してくれるので「すごいなぁ」と尊敬しています。そんな上司に少しでも追いつけるよう、今は勉強中です。それと国家資格の『とび技能士一級』を取得したいですね。とび仕事なら何でもできる!と証明できる資格なので、頑張って取得して現場を任せてもらえる存在になりたいですね。
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- これから建設・土木業界を目指す若者に一言!
業界にもいろいろな仕事がありますが、その中でも足場を組むとび職は、現場で働く人たちが安心して仕事をできるように支える仕事。人の力になれる仕事がしたい人は、とび職はすごく合っているし、楽しめると思います。頭を使う仕事ですが計算や数学の勉強は特に必要ないので、「体を動かすのが好き!人のために働きたい!」という人におすすめします。
取材日:平成27年10月2日
No.9 奥山 亮さん[管工事業]
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- どんな仕事内容ですか?この仕事に就いたキッカケも教えてください!
建物の暖房設備や空気調和設備などの配管工事を『管工事』と言うのですが、僕はその管工事の現場で建築士さんと打ち合わせをしたり職人さんに指示を出しながら、施行管理を行っています。もともと僕の父親は電気工事の職人さんで、僕も小さい頃から建築関係の仕事に就きたいと思っていて。大工を目指して専門学校へ進学したのですが、勉強をしていくうちに管工事に興味を持ったんです。暖房や空調など、快適に過ごすための設備は人間の体に例えると内臓にあたり、一番重要な部分。建物がどんなに立派に建っていても設備がしっかりしていないと、うまく機能しないんです。そんな設備に携わる仕事に惹かれ、就職活動の際は管工事ひとすじで探しました。
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- 建設・土木業界に対してどんなイメージがありましたか。また入社後の印象はどうですか?
管工事に関しては、建築の仕事の中でも特に大変そうなイメージはありました。現場では建物を建てる建築業者さんが主体で、その下に管工事など設備の仕事が位置しているので、立場的に弱かったりするのかなって。でも実際は建築業界の方々はいい人ばかりで、立場的な意味での苦労はありません。みんなで協力し合って作業を進めていますよ。
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- この仕事の魅力はズバリ何ですか?
管工事の仕事は、自分の頭で考えたことがカタチになる仕事。快適に過ごすための設備をしっかりと配置することで、「温かいね」「水が流れるね」「換気されているね」などの喜びを肌で感じることができる仕事なんです。
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- 苦労話を聞かせてください。
建物を修理するとき、建物内にたくさんの人が過ごす中で工事を行うことが多く、安全面での気配りが大変ですね。例えば学校の耐震工事を行う際、もし廊下に工具を置いてしまい、子どもが触って怪我をしてしまったら大変ですよね。細心の注意を払うことが欠かせず、かなり気を使っています。
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- これまでどんな建物や構造物に携わりましたか?
いま僕は桜が丘中学校の耐震工事の現場で管工事の指揮を執っているのですが、大規模な現場で指揮を任されたのはこれが初めて。それまでは釧路市役所防災庁舎の現場を上司と一緒に担当していました。だから今の桜が丘中学校の現場がすごく楽しいです。現場では思いもよらないトラブルがあったり、予期せぬ対処に見舞われたりすることもありますが、急な状況下を自分の力で臨機応変に対応出来るよう、日々現場で学んでいます。
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- 今後の目標を聞かせてください!
とにかく色々な現場を一人で任せてもらえる存在になりたいですね。今はまだ現場の経験をあまり積んでいないので、どんな現場も初体験みたいなもの。建物の構造によって施工方法や進め方は違い、いわば無限のパターンがあります。そんな中、ベストな方法で指揮を執ることが出来るよう、経験を積んで覚えていきたいですね。そしていずれは、市内の建築業界の方たちから「太平洋設備といえば奥山がいるから任せられるよね」と言われる存在になりたいです!
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- これから建設・土木業界を目指す若者に一言!
モノを作るのが好きな人は多いと思いますが、その中でも目に見えない設備を作り上げる仕事はやりがいがあり、楽しいですよ。自分が書いた図面がカタチになったときの達成感や喜びを、ぜひ皆さんにも感じてほしいです。
取材日:平成27年9月10日
No.8 熊谷 鮎さん[建設工事業]
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- どんな仕事内容ですか?この仕事に就いたキッカケも教えてください!
会社のお金を管理する『経理』の業務全般を担当しています。お客様への請求書を作ったり、従業員の給料明細書を作ったり。電話対応や来客対応なども行っています。実はこの会社に就く前は、歯科衛生士として働いていました。でも私は背が高いほうなので仕事中は中腰になることが多く、腰を痛めてしまって…。歯科衛生士の仕事を続けることが難しくなり、座って仕事ができる事務職に転職しようと思ったのがキッカケです。職業訓練センターで行われた『若年者就労促進事業』に参加し、3か月間パソコン操作やビジネスマナーを学んだ後、白崎建設に入社しました。
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- もともと建築業界に対してどんなイメージがありましたか。また入社後の印象はどうですか?
建築業界がどういう業界なのか、正直あまり考えたことはなかったです。ただ「男性が多い職場」というイメージはあったので、うまく馴染めるかなという不安はありました。でも実際は皆さんすごく優しく、ギャグも言ってくれて面白いんです!(笑)。今ではすっかり社員の皆さんとのコミュニケーションが楽しみのひとつになっているんですよ。
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- この仕事の魅力はズバリ何ですか?
社員やお客様など、いろんな人と楽しくコミュニケーションが取れること。事務職って机に座ってひたすらパソコンを打っているイメージがあるかもしれませんが、人と触れあう機会がとても多く、それが楽しくて楽しくて!人とお話しすることが好きな人は、接客業もいいけれど建築業の事務員も向いているのかなと思います。まぁ私はあまりよくしゃべるタイプではないのですが(笑)、コミュニケーションを取るのは楽しいです!
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- 苦労話を聞かせてください。
最初は建築業界の専門用語が全然わからなかったため、伝票を作る時にとても苦労しました。簿記の知識は少しあったのですが、建築業の簿記はちょっと複雑で。たとえば通常の簿記だと「費用」として分類されるところを、建築業の簿記は「○○費」って細かく分類しないといけないんです。そのためにたくさんの用語を覚えなければならず、最初は大変でしたね。でもあまり深く考えず「分からないことは聞いたり調べたりして、とりあえずやってみよう!」という精神で、勉強しながら覚えていっています。
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- 今後の目標を聞かせてください!
来年の3月に建設業経理士検定2級の試験があるので、合格に向けていま勉強をしているところです。それといま私は会社全体のお金の管理や請求書の作成を行っているのですが、現場で作業をしている『工事部』の皆さんと関わる仕事が出来たらなと思っています。工事部の従業員の給料管理や材料の計算など、今は別の経理スタッフが担当していますが、いずれは私も任せてもらえるよう、今は勉強を積み重ねていきたいですね。
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- これから建設・土木業界を目指す若者に一言!
私は普通の簿記の資格を持っていなくて、いきなり建設業経理士検定を受けたのですが、普通の簿記の知識がある上で建設業の簿記を勉強するほうが理解しやすいと思います。パソコンのWordやExcelの知識も必要ですが、パソコンが苦手な人でも職業訓練センターである程度勉強できるので心配いりませんよ。建築業界って男性が働くイメージがあるけれど、女性でも全然問題なく、むしろ楽しく働けます! 人としゃべるのが好きな人は、建築業界の事務員を目指してみるのもいいかもしれません。
取材日:平成27年8月26日
No.7 佐々木 翔太さん[建築板金工事業]
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- どんな仕事内容ですか?この仕事に就いたキッカケも教えてください!
建築業界には様々な板金会社がありますが、中でも換気などに必要となる空調ダクトの工事を専門に行っています。なので基本はマンションやショッピングセンターなどハコものと呼ばれる大型建築物ですね。仕事は大きく工場と現場に分かれていて、工場ではステンレスと塩ビ鋼板を合わせた特殊な金属板を大きな機械で切ってダクトの組み立て。現場では製作したダクトをボルトや、ビス(先端が鋭いネジのようなもの)で留めて設置します。元々が工業系の高校だったので、溶接など関連のある勉強もしていました。就職先を探しているとき家の近くに偶然、工業系出身者を優先的に雇っているこの会社があることを知って入社を決めました。
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- 建築業界に対してどんなイメージがありましたか。また入社後の印象はどうですか?
ある程度どんな仕事内容なのかは想像がついていたので、危なくて大変そうなイメージはありました。でもひとつひとつの工程を確認しながら気をつければ問題なく慣れていけるものでしたね。
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- この仕事の魅力はズバリ何ですか?
現場が終ったときはもちろん、ショッピングセンターなどのときはオープンの際に行くんですが、その完成を見て「がんばったな…」と思うことはありますね。あとは見えない部分に設置されるダクトですが、組み立てがキレイにできるとすごく楽しいです。
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- 苦労話を聞かせてください。
天井裏の仕事なので、天井ができあがる前に終らせなければダメなんです。他の業者さんも関わる話なので、やることが詰まっていると大変ですね。あとどれぐらいだなんて考えている暇もないくらい。あとは機械を使うときに気をつけること。不注意で機械に手を挟まれた、なんて事になると一大事ですからね(笑)。
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- これまでどんな建物や構造物に携わりましたか?
ドン・キホーテ釧路店に一番思い入れがあります。ひとりで担当させてもらった建築物だったので。初めて担当した建物はまた別だったんですが、ドン・キホーテの方が印象的ですね。自分から先輩たちに指示を出さなきゃいけなかったり、なんといっても作業量がとても多かったんです。
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- 今後の目標を聞かせてください!
学校規模の大きな現場を1人で持てるようになりたいですね。それには建築板金技能士1級の資格が必要なんですが、まだ2級がやっと受けられる立場なので、将来的にはとっていきたいところです。身近な目標で言うと、勤続20年くらいの先輩がいるんですが、その人のようになることですかね。仕事やすることが何でも速くて、仕上がりがキレイなんです。早く作っているのに、ちゃんとビシッとできていて憧れの存在です。今の自分と比べたら速さと仕上がり、合わせて3倍くらいの差がありますね。
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- これから建設・土木業界を目指す若者に一言!
できるだけ速く作業を終らせなければならない仕事です。工場や現場で図面を見て寸法などを計算して出さなきゃならない場面があるんですが、暗算ができると仕事が速くできますね。憧れの先輩は暗算で計算しちゃうんですが、電卓を使っている自分よりもずっと速いんですよ。最近は業界自体の同じ仕事の仲間意識が強くなってきているらしく、他の業者さんの人たちも同じ仕事仲間として優しくしてくれます。物づくりが好きな人は、居心地がいいんじゃないですかね。うちの会社なら後輩でもある電子機械科の学生さんが一番向いているのかもしれません。
取材日:平成27年8月17日
No.6 大澤 凌さん[鉄工業]
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- どんな仕事内容ですか?この仕事に就いたキッカケも教えてください!
工場で主に溶接を行っています。溶接とは2つの金属に熱や圧を加えて結合させる作業をいいます。溶接をするための金属加工など、図面に合わせた機械加工も行っていますよ。学校や商業施設など大きな建物の骨組みとなる、鉄骨部分の溶接もたくさん担当しました。
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- もともと建築業界に対してどんなイメージがありましたか。また入社後の印象はどうですか?
釧路工業高校電子機械科の授業で溶接の技術を習い、「面白い!」と興味を持ったのがキッカケです。入社試験の面接では「とにかく溶接がしたいです」とアピールしました(笑)。運よく残間金属工業に就職し、すぐに溶接をやらせてもらえたときは嬉しかったです。
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- この仕事の魅力はズバリ何ですか?
溶接は技術職なので、職人さんの腕の良さ・悪さがはっきりと表れます。材料の厚みによって溶接の難易度も変わるのですが、難易度の高い溶接が上手にできたときは達成感がありますね。そこが溶接の魅力かなと思います。また溶接した鉄骨が大きな構造物に使われる場合、「溶接部がきちんとくっついているか」を超音波で検査するのですが、この超音波チェックにスムーズに通ってようやく“溶接職人”を名乗れるのかなと思います。僕はまだチェックに引っかかることもあるので、自分なりにコツを考えながら学んでいるところです。
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- 苦労話を聞かせてください。
溶接は結構シビアな技術で、5ミリ違うと建物が建たなくなるという世界。熱の温度によって金属が曲がったりもするので細かい技術が必要で、かなり頭を悩ませます。また肉体労働なので、腰や肩が痛くなるので大変。でも仕事にだんだん慣れて自分のペースをつかんできたら、体の負担も減った気がします。
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- これまでどんな建物や構造物に携わりましたか?中でも思い入れがあるのは?
ドン・キホーテ釧路店の鉄骨を溶接しました。地元で話題になった場所の建築に自分も携わることが出来て、友達からも「すごいね」と言われて嬉しかったですね。他にもトライアルやサッポロドラッグストアーなどの骨組みも作りましたよ。
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- 今後の目標を聞かせてください!
これからもずっと溶接一筋でやっていきたいです。実はこの前、初めて大きな挫折を味わってしまって。『AW検定』という溶接技能検定に落ちてしまい、さらに札幌で行われた溶接技能競技会でも納得のいく結果が得られなくて…。とても悔しい思いをしてガックリと落ち込んでいたんです。なので今の目標はAW検定に合格することと、全道技能競技会で優勝すること!そしてゆくゆくは全国大会にもいきたいですね。溶接の世界って、20代後半くらいが技術的にピークだと言われているんです。まだ、もう少し時間があるので、それまでに技術を向上させるべく経験を積んでいきます。
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- これから建設・土木業界を目指す若者に一言!
溶接は楽しいです!溶接って若い世代には人気ないんですが(笑)、自分の成長が目に見えて分かる仕事なので、やりがいがありますよ。細かな作業が好きな人や負けず嫌いな性格の人にも向いている仕事です。溶接のレベルをもっともっと向上させたいな、って思えば思うほど、ハマって楽しくなると思いますよ。
取材日:平成27年7月30日
No.5 赤間 宏さん[電気工事業]
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- どんな仕事内容ですか?この仕事に就いたキッカケも教えてください!
電気工事士という仕事をしています。電気の配線図面の作成、電気工事の施工などを行っています。よく電柱に上って作業をしている人を見かけると思いますが、あれもぼくらの仕事なんですよ。もともと中学生の頃から「将来は手に職をつけたい」と思い、電気に関する資格ならずっと役に立つと思って釧路工業高校電気科に進んだのがキッカケです。
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- この仕事の魅力はズバリ何ですか?
この仕事は「小さな達成感」の積み重ねです。自分で配線してパッと照明が明るくなるのを見たら、やっぱり嬉しくて気持ちも明るくなるんです。図面を書いたり配線したり業者さんに指示を出したり、やることが多く大変ですが、「大変」よりも「達成感」のほうが勝っている仕事です!あと、この仕事をしていると家電や工具に詳しくなりますよ。他の業者さんが持っている工具を見て思わず欲しくなることも(笑)。
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- 苦労話を聞かせてください。
最初は高所恐怖症だったので、高いところでの作業がとにかく怖かったですね。なるべく下を見ないようにしても、足が震えちゃって。体を動かすのが好きなタイプではなかったので、相当つらかったです。でも慣れるというか、体が付いてきてくれて。実は僕、入社当時は今より20kg近く体重があったんですけれど、ガムシャラに仕事をしていたら自然と体重が落ちました。それだけ大変な肉体労働なんです。でもこの仕事は肉体労働だけじゃなく、電気の知識はもちろんパソコンの知識も必要なので、そこも大変ですね。早く仕事を覚えて先輩に追いつけるように、日々努力をしています。
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- これまでどんな建物や構造物に携わりましたか?中でも思い入れがあるのは?
一般住宅や公共施設など様々な建物に携わってきましたが、初めて配線工事を行った白糠のお寺には思い入れがあります。照明器具の取付け作業をやらせてもらい、今思えば簡単な工程なんですけど、当時のぼくには“照明器具のスイッチを入れたら電気がつく”という仕組みがとても新鮮で感動しました。学校の授業で勉強はしたのですが、机の上でしか学んでいないので、実際に現場へ出ると規模も重みも全然違うんです。
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- 今後の目標を聞かせてください!
今はまだ現場で上司の指示に従って動いているのですが、自分ひとりで仕切れるようになりたいです。これまで勉強したことを、いかに現場で発揮できるか…今は上司から学んでいるところです。「ただやればいい」ではなく「お客様に喜んでもらえるように、しっかりとやる」ことを常に心がけて、頑張ります。あとは、来年の一級施工管理技士の試験に合格することです!
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- これから建設・土木業界を目指す若者に一言!
この仕事は電気系が好きな人には絶対楽しめると思います。とにかく、自分の手で電気をパッとつける感動を味わってほしいです。また、資格が活きるので手に職を目指す人にもオススメ! 体を動かすことが得意じゃない人でも、現場に出ているうちに体力は自然につくので大丈夫かと思います。
取材日:平成27年7月15日
No.4 福士 賢哉さん[型枠大工工事業]
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- どんな仕事内容ですか?この仕事に就いたキッカケも教えてください!
一般的な大工ではなく『型枠大工』という、基礎部分を建てる仕事をしています。鉄筋コンクリートの建物を造る際、設計図に沿って枠を立てて液状のコンクリートを流し込むのが仕事内容です。基礎部分なので目には見えませんが、建物全体を支える重要な仕事なんですよ。この業界を選んだのは、もともと小学校の頃からずっとサッカーをやっていて体を動かす仕事に就きたかったから。普通の大工ではなく型枠大工になったのは、たまたま縁があって入社した会社が型枠大工の仕事を行っていたからです。
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- もともと建築業界に対してどんなイメージがありましたか。また入社後の印象はどうですか?
「大変そうだなぁ」という印象はあったんですけれど、実際は想像以上に大変でした。体力的な意味で。体力に自信があって入ったのに、それでも毎日ヘトヘトになって…。それに工期を過ぎるわけにはいかないので、雨でも雪でも風でも現場へ行かなくてはなりません。そういう意味でも大変な仕事です。日々、体が鍛えられている感じですね(笑)。
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- この仕事の魅力はズバリ何ですか?
先輩からコツを教えてもらって、その通りにやってみたらうまく出来たときは嬉しいですね! どんどん新しい仕事や難しい仕事をやらせてもらえるように、教わったことは全て吸収するつもりで頑張ります。型枠大工の仕事は何もない土地にゼロから建てていく仕事なので、ゼロから作り上げる喜びを感じられるのも魅力だと思います。
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- これまでどんな建物や構造物に携わりましたか?
阿寒行政センターや特別養護老人ホーム、道営住宅など5か所くらいの現場に携わりました。その全部に思い入れがあります。初めて枠を建てたのは特別養護老人ホームですね。小さな壁の枠だったんですけど、すごく嬉しかったです。
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- 苦労話を聞かせてください。
苦労を感じるのは、枠を立てるときに材料の厚みの分の誤差がどうしても出てしまうこと。よく先輩たちが言うのは「枠を建てるのは誰でもできる。誤差を出さずにしっかりと収めるのが自分たちの仕事だ」と。ここが型枠大工の腕の見せどころなんです。1ミリの誤差は大したことがないと感じるかもしれませんが、例えばボールペンの0.1ミリと0.5ミリって結構太さが違うじゃないですか。小さな誤差が積み重なって、仕上がりにムラや段差が出来てしまわないようにするのが型枠大工の重要な役割なんです。自分はまだまだ勉強中です。
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- 今後の目標を聞かせてください!
まずはどんどん新しい仕事、より難しい仕事をやらせてもらえるように頑張ります。入社したときに先輩から「妥協なんてするなよ。それは手を抜いたってことだから」と言われ、それがずっと心に響いているんです。この言葉を胸に、1ミリでも正確に枠に収められるように日々努力します。それと僕はいま職業訓練校にも通っているのですが、今年2月に行われた認定職業訓練生主張発表北海道大会で最優秀賞を受賞したんです。1年間働いて、自分がどういうことを感じたか、その想いを発表する大会で。「自分が目指す大工に近づくために何をすればいいか。それは他の人より一つでも多く材料を運んで、1本でも多く釘を打って、ほかの職人さんの仕事を見て自分のものにすること」と主張しました。この想いを忘れず、周りから認められる大工になれるように頑張ります!
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- これから建設・土木業界を目指す若者に一言!
型枠大工の仕事は「形」としては残りませんが「建物」として何十年も残ります。自分が携わったものが残っていく喜びは、この業界で働く人の醍醐味だと思いますよ。
取材日:平成27年7月2日
No.3 久川 俊哉さん[塗装工事業]
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- どんな仕事内容ですか?この仕事に就いたキッカケも教えてください!
建物をペンキで塗装するのが仕事です。塗るだけでなく、養生といって塗装の際に窓をビニールで覆う作業など、塗る前の段取りも含まれます。塗装屋さんになったキッカケは、16歳のときに美装会社に勤務している先輩に誘われてこの世界に入ったのが始まりです。その後塗装屋の世界に飛び込むため、今の会社に入社しました。実はもともと介護の仕事に興味があり、介護の専門学校へ行こうかと考えていた時期もあったのですが…先輩から建築の道を紹介されて、こっちの世界に入りました。
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- この仕事の魅力はズバリ何ですか?
やっぱりキレイに塗れたときの達成感に尽きます。キレイに塗れるようになるまでは苦労しましたが、コツを覚えて上達してからは仕事が楽しくなりました。それに塗り終えた後に住人から「素敵に変身したね」って喜んでもらえたらとても嬉しいですね。この一言のために仕事をしている、と言っても過言ではありません。「ありがとう」と喜んでもらえる仕事なのでやりがいもありますよ。
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- 苦労話を聞かせてください。
最初は「ペンキを塗るだけ」と甘く考えていたのですが、壁の養生など“塗るまでの過程の仕事”が多く、覚えることもたくさんあって大変でした。新人の頃は養生などの仕事ばっかりでなかなか塗らせてもらえず、心の中では「早く塗りたいな」と思っていました(笑)。でもとにかく先輩から言われたことを一生懸命やりながら、職業訓練校にも2年間通って色んなことを学んでいきました。現場で初めて塗らせてもらったときは緊張したけれど、面白かったです!それと、この世界はやっぱり上下関係は厳しいです。最初は大変だなと思いましたが、若いうちから上下関係をしっかりと学べる場だと思って今は頑張っています。自分の下にも2人後輩がいて、色々と指導をしているところ。自分が教わったことをそのまま後輩に伝えているのですが、間違えたことを教えるわけにはいかないし、どう言ったら理解してもらえるか…日々頭を悩ませています。
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- これまでどんな建物に携わりましたか?
一般住宅のリフォームや公共施設の新築など、様々な現場を経験しました。最近では釧路市道営住宅『であえーる幸団地』の塗装も担当しましたよ。思い入れのある建物は、春採中学校の改修工事ですかね。2年間という長い期間を掛けて、校舎の内装と外装を塗らせてもらいました。なんせ塗っても塗っても終わらないほど広いので、バリバリ張り切って塗らせてもらいました。苦労して塗り終えた後は達成感…に浸る間もなく、次の現場へ向かいましたけどね(笑)。
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- 今後の目標を聞かせてください!
建築塗装技能士1級を取得することが目標です。そのために、まずは経験をひとつひとつ積んでいきます。とにかく色んなことが出来るようになりたいし、もっともっとうまく塗れるようにもなりたい!そしていつかは…一人前の塗装屋さんとして独立できたらなぁと夢見ています。
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- これから建築業界を目指す若者に一言!
覚えることがたくさんあって最初は大変かもしれませんが、その分退屈しないのでオススメです(笑)。「やる気」と「根気」があれば出来る仕事なので、まずは挑戦してみてほしいです。それに「手に職」の仕事なので、ずっと働けるという安心感もありますよ。
取材日:平成27年6月26日
No.2 加登 歩さん[大工工事業]
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- どんな仕事内容ですか?この仕事に就いたキッカケも教えてください!
大工として一般住宅や公共施設を建てています。地面を掘って基礎を作り、木を組み立てて家を建てるのが仕事ですね。大工になったキッカケは、もともと進路を考えていた当初は大学進学も視野に入れていたのですが、小さい頃から好きだった「モノづくり」の道へ進むのもいいかなって思って。祖父も大工さんだったので、それも影響しているのかな?それで北海道立釧路高等技術専門学院で2年間勉強して、インターンシップでお世話になった村上建築工房に就職することになったんです。また同時に、釧路高等技術専門校の建築科にも入学し、さらに知識を深めていきました。
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- もともと建築業界に対してどんなイメージがありましたか。また入社後の印象はどうですか?
「大変そう」というイメージはありました。実際、この業界は上下関係が厳しく、ちょっと荒っぽいところもありましたが(笑)、親方はぼくの悪いところをハッキリ言ってくれるので逆にありがたいなって思います。コミュニケーションを通して人間的に成長していきたいですね。
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- この仕事の魅力はズバリ何ですか?
やっぱり外で体を動かすとスッキリとして気持ちがいいですね。ストレスを吹き飛ばしてくれます。また、大工の腕が上がったなと実感できたときも嬉しいですね。今まで難しかったことがすんなり出来たときや、寸法を1回で正確に測れたときなど…少しでも上達や成長を感じると、やりがいにもつながります!
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- 苦労話を聞かせてください。
やっぱりまだ現場には慣れないです。学校の授業で『模擬家屋』を作ったりはしたけれど、いざ現場に立つと一人じゃ何もできないんです。その現場によって作るものが違うので、経験を積まないと分からないことが多くて。とにかく経験を積んで覚えてくしかありませんね。でも下積みにすごく時間がかかるんだなと実感しています。この世界は、一人前になるのに10年かかるって言われているので…とにかく下積みの「今」を頑張って、たくさんのことを吸収していきたいです!
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- これまでどんな建物や構造物に携わりましたか?
一般住宅や大きな施設などの建築に携わりました。思い入れがあるのは、初めて現場に立ったグループホームの新築です。親方に教えてもらいながら基礎から作ったのですが、なにせ右も左も分からない自分がこんな大規模な施設に携わって…毎日ヘトヘト。完成したときは疲れ果てていましたが、「終わった〜」という達成感はありました。
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- 今後の目標を聞かせてください!
とにかく一人前になれるように、一通りのことが出来るようになることですね。そのためには経験を積むしかありません。それといま建築大工技能士の2級を取得しているので、次は1級を取るのが目標です!あとは、ゼロから家を組み立ててみたい。今はあらかじめカットされた木を使って組み立てるのが主流なんですけど、そうではなく自分の手で木を切って、本当にゼロから家を建てられたら…すごく楽しいだろうなぁと。それが夢といえば夢ですね。
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- これから建設・土木業界を目指す若者に一言!
この仕事は、「モノづくり」が好きな人にはとても楽しめると思います。でも好きじゃないと辛いかもしれません。この業界を目指す人には、好きという気持ちを持ち続けて就職活動に取り組んでほしいですね!
取材日:平成27年6月17日
No.1 出島 広大さん[土木工事業]
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- どんな仕事内容ですか?この仕事に就いたキッカケも教えてください!
橋や道路などの土木施工管理の仕事をしています。現場で測量したり作業員さんに指示を出したり、施工図等を作ったり、資料や燃料を手配したり…結構幅広い仕事内容です。僕はもともと車が好きで、自動車工学を学ぶために北見工業大学へ進学しました。でも大学1年生のとき、たまたま創造基礎という授業で紙とボンドを使って橋の模型を作り、あらゆる条件下のなかで一番耐荷重が優れているのはどれかを考える実験をしたんです。その授業が面白くて、すっかり橋に興味を持ってしまって。自動車工学から土木に関心が移りましたね(笑)。就職活動の際、橋や道路の現場で活躍できる仕事を目指し、さらに地元企業で働きたいと知り合いの方に話していたところ、運よく阿寒共立土建を紹介していただきました。
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- 建設・土木業界に対してどんなイメージがありましたか。また入社後の印象はどうですか?
最初は「現場で怒鳴り声が響いている」というイメージがありました。でも実際に入社してみるとそんなことはなく、むしろみなさん冷静に現場で考えたり指示を出したりしています。世間のイメージと実際のギャップってすごいものだなと実感しました。職人さんも優しくて、みなさん仲がいいんですよ。
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- この仕事の魅力はズバリ何ですか?
この仕事の魅力は、完成した構造物を見たときの感動が大きいこと!コンクリートを打つ(生コンクリートを型枠に流し込む)とき、その分量なども全て細かく指示するのですが、型枠を外して完成したものを見ると「あぁ、自分もこれを造ることに携われたんだ」と感慨深くなります。
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- 苦労話を聞かせてください。
一番苦労したのは、入社1年目にクショナイ西改良工事で行った情報化施工です。ブルドーザーの敷均し厚などをGPSで管理したのですが、GPSがいきなり繋がらなくなったんです。当時はまだ原因や対処法が分からなかったので、四苦八苦してしまいました。でも、1年目で情報化施工という貴重な体験が出来たのは嬉しかったです。
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- これまでどんな建物や構造物に携わりましたか?中でも思い入れがあるのは?
これまで北海道横断自動車道白糠町クショナイ西改良工事、北海道横断自動車道釧路市阿寒改良工事、一般国道38号釧路市北園改良工事などに携わってきました。中でも思い入れがあるのは、クショナイ西の面壁工事です。トンネル内の壁にコンクリートを打ったのですが、初めて打つコンクリートで高さもあり結構時間がかかって。朝の6時くらいから夜9時くらいまでかかりましたが、すごく勉強になりました。
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- 今後の目標を聞かせてください!
コンクリート診断士という難易度の高い資格を取ることが目標です!時代は橋を「つくる」から「維持管理する」へシフトしているので、コンクリート診断士を取得して橋の維持管理に携わり社会基盤を支えられるような技術者になりたいですね。再来年に受験資格が得られるので、頑張って挑みます。でもその前に一級土木施工管理技士の資格を取ることが先ですね。これは一発合格を目指しますよ!
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- これから建設・土木業界を目指す若者に一言!
高校卒業が近づいてもまだ「やりたいこと」が見つかっていない人…多いと思うんです。僕もそうでした。そういう人は一度バイトでもいいので建設業を体験してもらって、楽しさや奥の深さを知ってもらいたいなと思います。現場で怒鳴られたりするような世界ではないので、そういう誤解も解けるかなと(笑)。それに建設や土木は自分たちの生活と切っても切れない存在なので、そういうところと携われる喜び、すばらしさを味わっていただきたいです。ぜひ平成生まれの同世代の人に入ってほしいですね!
取材日:平成27年6月9日